青春あやまち論anotherstory 【黒子のバスケ】
第17章 守る騎士
「……まだだ!!」
「アツシ!!」
紫原が走り出す。
火神も体力が尽きたようで、膝をついていた。
残り四秒…間に合う…!!
「!?」
すぐ目の前にゴールがある。
なのに、紫原は跳ばない……いや、跳べないんだ。
…いつ?
いつからだった?
膝が耐え切れなくなるほどまでに負荷が掛かりだしたのは。
もし…もし、この場に居るのが私じゃなく、藍川だったら…こうなる前に気づけた?
私の頭の中をぐるぐると駆け巡る思考。
「決して意図していたわけではありません。それでもこれは木吉先輩たちの執念の結果です」
黒子が紫原の背後に迫ってくる。
早く…放れば…それだけでいいじゃん!!早く!!!
「だからこれで終わりだ!!」
紫原の手からボールが弾き飛ばされる。
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