青春あやまち論anotherstory 【黒子のバスケ】
第17章 守る騎士
そして、ベンチに戻ってくるなり紫原はとんでもないことを口にする。
「…は?ちょ…オイ。今何つった?」
紫原の発言に福井ちゃんは、これまでにないほど怒っっている。
「だーからー…もういいや。俺、やーめたー交代してよ」
「っざけんなよコラ!!いきなり何考えてんだテメェ」
「だってつまんなくなっちゃったんだもん」
「ふざけんな!!私…勝てって言ったじゃん!!」
「鈴佳!落ち着くアル!」
福井ちゃんはさらに声を荒げ、紫原に詰め寄る私を劉が後ろから抑え込む。
雅子ちゃんも近くの部員に「オイそこの竹刀とれ。とりあえず殺す」と言っていた。
私には、紫原の気持ちが分からなくもない。
もう負けは決定だ。
だったら、これ以上何を頑張ればいいのか。
だけど…このまま洛山に辿りつく前に負けるなんて…絶対に許さない!!
「今お前が抜けたら勝てるモンも勝てなくなる。負けてもいいっちゅうんか、貴様」
アゴリラも珍しく相当キレている。
そんなことも気にせず、紫原はあっけらかんとした様子で答えた。
「うん。だってもう誰も火神止めらんないじゃん。どうせ負けんじゃん?」
頭に血が上りきったアゴリラ。
「負け」と言う言葉に、私も少なからず反応し、唇を強く噛みしめて紫原に再び詰め寄ろうとした。