青春あやまち論anotherstory 【黒子のバスケ】
第16章 挨拶を。
まずい。
その一言に尽きるこの流れ。
神出鬼没の黒子にこちらも走力が必要とされるのに、劉とアゴリラは足は速くないから追いつけるかどうか分からない。
それを分かってか、福井ちゃんが一気にマークの5番をドライブで抜くが、その先で黒子のスティールに捕まる。
「なっ…!?」
黒子からパスを受け取った5番がシュートを放ち、ついに2点差まで追いつかれた。
と思っていたが、ノーカウントらしく、ここで第三クオーターが終わった。
得点は、陽泉47-誠凛43…4点差だ。
ベンチに戻ってきた紫原は、怒りのボルテージが頂点に達したのか、早速椅子を蹴り飛ばす。
「モノに当たってんじゃねーよ」
「いって」
雅子ちゃんもすかさず竹刀で紫原を殴った。
「ったく、厄介なDFじゃい…!」
「気が付くと黒子が居たり居なかったり…ホントうざいアル」
あのDF陣形は、外の私たちから見ても相当厄介だが、中の選手はそれ以上らしい。