青春あやまち論anotherstory 【黒子のバスケ】
第4章 痛いほど
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それから二週間後のIH秋田県地区予選。
陽泉高校は勿論一位通過で、県大会へ出場を決め、来月のIH県予選へ向けて練習に励んでいた。
IH予選が始まったことにより、雅子ちゃんからの私のサボりへの注意はより一層厳しくなったし、劉からの監視も厳しくなった。
その日もいつものように劉に引きずられながらも部活へ連行されていた。
「今日は気分じゃないのに…何で…」
今日の最後の授業は体育だった。
お蔭で疲れた私は、この後の放課後練習をサボるつもり満々だったというのに。
自然と溜め息が零れる。
「鈴佳。はやくするアル」
「わかってるって……ん?」
「どーしたアルか?」
「なんか入ってる…」
靴箱を開けて、上履きとローファーを履き替えようとした時。
何かが靴箱に入っているのが見えた。
それを手に取ってみれば、二つ折りにされた紙切れ。
「は?今どきラブレター?」
「ラブレター?!」
紙をまじまじと見ながら呟くと、劉は私の耳元で驚きの声をあげる。