青春あやまち論anotherstory 【黒子のバスケ】
第16章 挨拶を。
その後、誠凛も苦し紛れの3Pを決め、堅実に返した。
「くそっ」
「単発にすぎん、気にするな!苦し紛れが入っちまっただけじゃ!」
「うっせーな。わってるよ、アゴリラ!!」
「なんで悪態つかれてんの、わし!?」
「早くボール入れろアル、モミアゴリラ」
「足すな!!」
コート内でも通常運転の三人に、ベンチの私と雅子ちゃんは同時に溜め息をついた。
…分かってんの?
徹底的に叩き潰せって言ってんの、女王様は。
一瞬の気のゆるみだって許さないよ?
だが、そんなことを心配する必要もなかったようで、二度目の氷室対火神戦。
氷室は陽炎のシュートをお披露目。
氷室の放ったシュートは火神のブロックを通り抜け、リングをくぐった。
『誠凛、選手交代です』
「火神!」
「いっ!?俺!?」
誠凛は火神と9番の選手交代。
「誠凛の監督は相当頭が切れるようだな」
「そうかもしませんね」
雅子ちゃんが誠凛ベンチを見ながら言い、私も同調した。