青春あやまち論anotherstory 【黒子のバスケ】
第16章 挨拶を。
取ったのは紫原…まずは陽泉ボールから……?え?
「あ」
福井ちゃんの声がこちらまで聞こえてきた。
と同時に、審判が笛を吹く。
「…あ、いっけね」
「またやったっ…」
私の隣に座る雅子ちゃんも、頭を抱える。
勿論、私も「またかよ…」と呟きながら頭を抱えている。
「ジャンパーヴァイオレーション!白9番!誠凛ボール!!」
「アツシィー!!」
「やっちった」
「もう跳ぶのやめろアル」
「…次からは気を付けような」
「常習じゃろが。甘やかすな、氷室!」
全く。
今回ばかりはアゴリラに同感だ。
私たち陽泉からしてみれば日常茶飯事であるこの光景。
だが、誠凛からしてみれば、そう言うワケでもないようで、誠凛の選手はどよめいていた。
「これは今日もみっちり絞らないといけませんね」
反省するかどうかは別として。と私が付け加えながら言うと、雅子ちゃんは一つ溜め息をを溢した。