青春あやまち論anotherstory 【黒子のバスケ】
第16章 挨拶を。
福井ちゃんの問いかけに、私はクスッと笑う。
「今日の相手は鉄平の居る誠凛でしょ?同じ、キセキの影に埋もれた者同士…挨拶を。と思ってね」
私がそう言うと、福井ちゃんは呆れたようにして笑ってみせた。
今日、ここで勝たなければ四強には残れない。
残ることが出来なければ、藍川の居る洛山と戦うことすら出来ない。
私の…女王のプライドに懸けて。
『おおお出てきたぁ!!創部二年目で快進撃を続ける驚異の新星!誠凛高校!!』
『そして来たぞ…二回戦・三回戦を前代未聞の無失点勝利…絶対防御、陽泉高校!!』
誠凛に続き、ベンチ入りした陽泉がコートに現れると、ギャラリーからは驚嘆の声の数々。
主に、インサイド全員の2m超えをはじめとするその大きさだ。
「鉄平…久しぶりだね」
チラリと向こうのベンチに目を向けると、鉄平と目が合う。
睨む私に対し、鉄平の方は相変わらずヘラヘラと笑って見せるが、その目の奥には闘志が見えた。