青春あやまち論anotherstory 【黒子のバスケ】
第15章 アイツ…
「…とまぁ。こんな感じだ」
早速宿泊先に戻り、ミーティングルームで誠凛の試合映像を見る。
一回戦の桐皇戦は生で見ているが、流石はここまで勝ち上がってきただけはある。と言った具合だ。
「とりあえず、どう見る岡村?」
「…いいんじゃないですかね?骨がある」
雅子ちゃんの問いに、主将らしい顔を見せながら、アゴリラは言う。
「特にツボに入った時は、とても一・二年だけのチームとは思えん。あの桐皇と点の取り合いで勝ったくらいだ。攻撃力だけなら、もはや今大会No.1と言ってもいい。明日が楽しみじゃい」
止められた画面に映るのは、10番火神と11番黒子。
私は二人の…その真っ直ぐな目が「嫌いだ」と直感で感じた。
それは紫原も同じだろう。
「確かに。これは面白くなりそうだね」
私は腕を組みながらクスッと笑う。
「超DF型チームと超OF型チーム。最強の矛と盾は、どちらが上かな?」
明日の試合。
私の運命を左右する。
今の私にとって受け入れがたい現実が待ち構えていることを。
私は、まだ知らない。