青春あやまち論anotherstory 【黒子のバスケ】
第15章 アイツ…
福井ちゃんは、氷室と共に去っていった謎の美女を思い出しながら、アゴリラの方へ振り返る。
が、アゴリラは、「…う…おお゛おお…」と呻き声をあげ始めている。
「何故じゃあーーー!!」
「うおっ!?」
ま、また始まった…。
アゴリラの突然の大きな泣き声に、福井ちゃんは思わず飛びのき、周りの私たちは「またかよ」と呆れ顔だ。
「アイツ、前も女子からなんか手紙貰ってなかったか!?」
「そーだな」
「わしなんて、枝尾以外に話し掛けられたこともロクすっぽないよ!?バスケ部はモテるって話は嘘だっかんかぁー!?」
私で悪かったな。と泣きわめくアゴリラに目を細める。
その様子を見ていた他の選手一同は、「それ動機?」と一歩引いた位置でアゴリラを見ていた。