青春あやまち論anotherstory 【黒子のバスケ】
第4章 痛いほど
部室の端の窓際で、欠伸をしながら事の成り行きを傍観していた私は、キョトンとした顔になる。
「そーゆーことは選手間でやりなよ。マネージャーに意見求めんな」
「鈴佳だから聞いてんだろ」
「鈴佳だから」。
こんな私に一体何の期待を持っているのか。
私はバスマネ界最強の藍川でも桃井でもない、その格下に引きずり降ろされた敗者だと言うのに。
そんなことを私が考えていることを知らない部員は、全員私に視線を集める。
「…こないだの練習試合でもやったんじゃないの?PF」
私は溜め息を吐きながら、渋々答えた。
つい先日の練習試合(私はサボりのため不在)で、アゴリラは雅子ちゃんの指示で元来の己のポジションではないPFとして、試合に出ていたらしい。
「ゴリラなだけあって体格はいいんだしさ。当たり負けはしないでしょ?それにCは紫原、SFには劉もいる。インサイドを巨人三人で固めればいいんじゃない?」
「ゴリラは余計じゃが…なるほど」
「ちょっと待てよ!!」
アゴリラが私の意見に感心するように、表情を緩めていると、一人の三年部員が声を荒げて叫んだ。