青春あやまち論anotherstory 【黒子のバスケ】
第4章 痛いほど
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今日の部活はミーティング。
そこで、私たちは大きな問題に衝突した。
「紫原とわしのポジションが被っておる…」
今更気づいたのか、このアホゴリラは。
奴の推薦が決まった時点で、私を含め他の部員は全員気づいていたというのに。
「えー?それってどーすんのー?」
「どーするも何も…Cは間違いなく紫原で決定じゃろ」
今や。
高校最強のCと言っても過言ではない紫原が、己のポジションを今更変えるなど、愚か者のやることだ。
ともなれば、問題はこのアゴリラをどうするかだ。
「そのまま動物園に帰るのはどうアル?」
「劉、そっちのカエルじゃねーよ」
福井ちゃんは呆れた表情で答えた。
だが、今は冗談を言っている場合ではない。
アゴリラは、私たちからこんな扱いを受けてはいるが、れっきとした我らが主将。
主将になった動機は不純にしろ、バスケセンスは部内ではトップを争うもの。
そんなアゴリラを、紫原とポジションが被ったからと言ってスタメンから外すわけにはいかない。
「はぁ…鈴佳。お前はどー思う?」
「は?私?」
福井ちゃんは頭を捻りに捻った結果、答えは私に聞く。と言う結論に至ったらしい。