青春あやまち論anotherstory 【黒子のバスケ】
第15章 アイツ…
永遠に続くような時の流れ。
しかし、それも青峰のゾーンがタイムリミットを迎えることで急展開する。
残り三十秒を切り、点差はついに一点。
のはずだったが、そこからの青峰のボードの裏から、と言う無茶苦茶なシュートで点差は三点に広がる。
「勝ち上がってくんのは桐皇か」
「そうみたいじゃな」
「それはどうでしょうか」
私たち陽泉は見切りを付けた。
が、一人だけ。まだ誠凛の勝利を信じる者。
氷室だ。
私たちは、ニコリと微笑む氷室に首を傾げながら、残り十秒を切った試合に視線を戻す。
「!!」
火神のダンクにブロックに跳んだ青峰。
そこから火神は鉄平にパスし、そのまま鉄平はファールを誘いながらのシュートを決めた。
「決めれば同点アル」
「でも、誠凛には延長戦を戦う余力なんてあんの?」
「となりゃ、ここでリバウンドを取って決めるしかねーだろ」
別に誠凛の肩を持つワケでも、桐皇の肩を持つワケでもない。
どっちが勝ち上がろうと、どーでもいいのだが、ここまでIH準優勝校に奮闘する誠凛を見れば、誰でも応援したくなるのが人間の性と言うものだろう。
私としては、直接桃井も今吉さんも叩きのめしたかったんだけども。