青春あやまち論anotherstory 【黒子のバスケ】
第15章 アイツ…
そう考えている内に、鉄平のワンスロー。
勿論、それはリングに当たり弾かれ、リバウンド勝負。
そのリバウンドは、火神が取ったかのように思えたが、青峰によって桐皇カウンターへ弾かれた。
「(やっぱ桐皇かぁ…)」
少し力の入っていた肩を落とす私だったが、弾かれるボールの先を見た瞬間に、目を見開く。
きっと、誰もが火神がリバウンドを取ったと思っただろう。
それは、ギャラリーの私たちも、コート上の選手たちも。
だが、その先に居たのは黒子だった。
「うっそ。マジ?」
ボールを拾った黒子はそのままパス。
パスを受け取った火神は、文字通り、ビザーブーター。
「誠凛が勝った、アル」
目の前の事実が受け入れられないような私たち。
ただ、氷室だけは嬉しそうにニコニコ笑みをこぼすだけ。