青春あやまち論anotherstory 【黒子のバスケ】
第4章 痛いほど
「鈴佳。ワタシにはないアル?」
私が一通りメニューを配り終えた後、劉は問いかけてくる。
「今日は三年のレギュラー陣を見る日なの。劉は明日ね」
今言ったように、今日は三年のレギュラー陣を見る日。
明日は二年のレギュラー陣で、明後日は三年のレギュラー以外、明々後日は…と続いていく。
「でも紫原には渡してたアル」
「……」
またその話か。
やっぱり嫉妬してんじゃないの?紫原に。
「わかったわかった。明日は特に注意して見てあげるから、そんなに拗ねないでよ」
「す、拗ねてない!ワタシは子どもじゃないアル!!」
私が宥めるように言うと、何故か怒った劉は、プンスカとしながら体育館を出て行った。
…何なの、アレ。
「枝尾ぉ…劉にはもっと優しくしてやれ」
「用もないのに話しかけんな、アゴリラ」
「んが!?」
お決まりのこのやり取り。
もう…何なわけ、このチーム。至極面倒臭い。
部活の片づけもテキパキと終わらせた私は、面倒臭さを咬み殺しながら寮へと帰っていった。