青春あやまち論anotherstory 【黒子のバスケ】
第15章 アイツ…
「(そー言えば、真が『誠凛には気を付けろ』とか言ってたんだっけ)」
ほんの一か月ほど前に言われたばかりの言葉を思い出す。
とは言っても、一体何を?
いくら鉄平が戻ってきたとは言え、まず間違いなく、勝ち上がるのは桐皇だろう。
何をどう気を付ければいいのか、さっぱり分からない。
「……」
そして、桐皇の選手の後ろから現れた桃井。
遠目に見るだけでも、クソっぱら立ってくる。
準々決勝で当たった時は、こてんぱにしてやんだから覚悟しておけよ。
そう心の中で呟き、私は睨むように目を細める。
『それではこれより誠凛高校対桐皇学園高校の試合を始めます』
両チーム、合わせて十人の選手が整列し、試合が始まった。