青春あやまち論anotherstory 【黒子のバスケ】
第15章 アイツ…
そうこうしている内に、開会式は終了し、すぐに第一試合が始まる。
私たち陽泉はシード校で、初日の今日と明日は試合がない。
そのため、今日はギャラリーから観戦することに。
「俺、赤ちんに呼ばれたから行ってくるねー」
「は?赤ちん…?」
「赤司のことだよ」
携帯を弄り出したかと思えば、突然言う紫原に、頭の上に「?」を浮かべる福井ちゃん。
私は、そんな福井ちゃんに誰のことなのかを教える。
いい加減、紫原のあだ名の習性を覚えて欲しい。
にしても、赤司からの呼び出しねぇ…『キセキの世代』もご苦労なことで。
「わしらはそこにおるから、ちゃんと戻ってくるんじゃぞ」
「オッケー」
アゴリラに言われた紫原は、私たちに背を向けて手を振りながら、どこかへ行ってしまった。
「さて、俺らは観戦するか」
確保しておいたギャラリー席に座り、私たちは、これから開始される試合に目を向けた。