青春あやまち論anotherstory 【黒子のバスケ】
第15章 アイツ…
『これより全国高等学校バスケットボール選抜優勝大会、ウィンターカップを開会します』
東京体育館に響くアナウンス。
今年最後の最大の大勝負が始まった。
私は、整列する選手団の様子を、ギャラリーから見下ろしていた。
「(藍川は…いない、か)」
桐皇の桃井の姿はすぐに見つけた。
だが、いくら辺りを見渡しても、藍川の姿だけは見当たらない。
まさか、この大会にも姿を現さないつもりなのか。
「(ホント…嘗めくさってんな)」
行き場のないこの怒りを、心のうちに抱える。