青春あやまち論anotherstory 【黒子のバスケ】
第14章 雪ウサギ
お気の毒に。と部員たちを笑っていると、雅子ちゃんが真剣な顔つきで私に向き直る。
「何を言っている。勿論、枝尾も参加に決まっているだろう」
「は!?」
な、な、な、何を仰る!!
私はこれでも女の子なんだから、なまはげとかマジで勘弁してほしいんですけど!?
そんな私たちを余所に、雅子ちゃんは机の上にお面を置いた。
「さあ、憂いは晴れただろう。さっそく練習に入るぞ」
そう言い残して、いつもの如く颯爽と立ち去る雅子ちゃん。
一方、私たちは呆然としたまま立ち上がれない。
私と氷室に至っては、絶望に近い表情だ。
「なまはげねぇ…」
紫原が雅子ちゃんが残していったお面を手に取り、顔に当てる。
「悪い子はいねがぁ?」
「「「そりゃ、お前だよっ!!」」」
見事にハモったバスケ部一同の叫び声が、木霊した。
憂いが晴れたのかは別として、単位もWC出場も無事(?)決定した私たち陽泉高校バスケ部の…勝負の冬がやってきた。
こんな事なら…正直、来てほしくないけど。