青春あやまち論anotherstory 【黒子のバスケ】
第14章 雪ウサギ
そして、目をゆっくりと開けた紫原は、漸くこちらに目を向けた。
「なんか、すごいねー。すげー無残」
破壊されつくした雪像の無残な形を見て、紫原が言った。
うん、確かに。
これは「無残」とか言いようがないッスよ…。
「…一体何があったんですか?」
「…これのせいじゃ」
氷室が、ぐったりと倒れ込んでいる私たちの傍らで雪の上に膝をついて問いかける。
それにアゴリラが、先程発掘したポテチを差し出しながら答えた。
「あ、それ、俺のー。なくなったと思ってたのにー」
「やっぱり、お前か…!」
嬉しそうにアゴリラからポテチを奪う紫原に、福井ちゃんは声を震わせながら言う。
いまだに状況を理解できていない氷室に、そのまま福井ちゃんが、これまでの経緯を説明した。
「みんな、頑張ったのにねー」
説明を一通り聞き、紫原はのほほんと間延びした声で一言だけ言った。