青春あやまち論anotherstory 【黒子のバスケ】
第14章 雪ウサギ
ああ、神様。
これからは毎月のミサをもっと真剣にやりますから、どうかムショ行きだけは勘弁してください。ホントにこれマジで。
「出て…きたっ…!……って、え?」
漸く雪山をかき分け、黒いモノの本体が見えてきた時。
私は息をあげながらも、素っ頓狂な声をあげた。
「「「「……」」」」
私の願いが届いたのか。
出てきた黒いモノの正体が「あっくん」でなかったことに安堵の息をつくと同時に、私たちは声を発することもできずに、その物体を見つめる。
「…は?…ブラック…ペッパー……?」
福井ちゃんが声にならない声で呟く。
私たちがこの数分間もの間、必死にかき分けた雪山から顔を出したのは、ブラックペッパー味のポテチ。
絶対、紫原のじゃん!!
私たちは瀕死の体で、その場に倒れ込む。
「な、なんじゃ……」
「…そ、それより……あれ見るアル…」
力なく劉が向こうの方を指さす。
私と福井ちゃん、アゴリラは、その指先をゆっくりと目で追って、ギョッとした。
園児たちが、私たちが折角作った雪像を悉く破壊していたのだ。
「え…う、そ…」
「…マジ…かよ…」
今更、破壊魔と化した園児たちを止める気力も体力も残っておらず、更には既に残っている雪像もない。
え……これ、どーすんの。