青春あやまち論anotherstory 【黒子のバスケ】
第14章 雪ウサギ
すると、その目の前を、体を前屈みにして両手を園児に引っ張られた氷室が横切った。
「…何しとんじゃ、氷室」
「いや、それが…」
唖然としたアゴリラが声を掛けると、氷室は困った顔で自分の腕を引っ張る二人の女の子を見た。
「何故か、おままごとに誘われてしまって…」
「「「「おままごとぉ!?」」」」
苦笑して答えた氷室に、私たち四人は声を裏返して叫ぶ。
そんな私たちを余所に、氷室は困った顔のまま手腕を引っ張る小さな彼女らに話し掛ける。
「…そろそろ離してくれるかな?お兄さんもやらなきゃいけないことがあるんで…」
「えーっ!お兄ちゃん、お父さん役やってよぉ!」
「ダメっ!お兄ちゃんはあきの彼氏役なの!」
「違うもん!まりがお母さんで、お兄ちゃんはお父さん!」
「やだ、あきの彼氏役!ぜったいぜったい彼氏役!」
氷室の腕を掴んだまま、二人の女の子は口論を始める。