青春あやまち論anotherstory 【黒子のバスケ】
第14章 雪ウサギ
んなワケあるか。
TPOが、時(Time)場所(Place)場合(Occasion)の略だってことは、英語が苦手な私でも知ってるわ。
それでいいのか、受験生。
てか、劉にまた余計な知識を吹き込むなよ。
モノ言いたげに福井ちゃんを見つめる私とアゴリラ。
そんな私たちを無視し、福井ちゃんは続ける。
「そうそう!女の人に声かけるのはさ、正しいっちゃ正しいんだけど、がっついちゃダメっ!ここぞって時までTPOで、パッションは抑え気味ってのが、日本人なんだぜ?」
「そうだったアルか。また勉強になったアル」
なるほど、と素直に頷く劉の姿に、私は額に手を当て溜め息をついた。
また劉の中での日本のイメージがおかしくなった。
福井ちゃん…アンタらは今度のWCで引退かもしれないけど、私はこの人とあと一年以上は付き合ってかなきゃいけないんだからね?
これ以上、余計なことしないでくれるかな?
「ほら、そろそろ仕事に戻るぞい。早くせんと、時間内に終わらん」
未来の日中関係よりも、目先の単位。
そんな風に言い、かまくら作りに戻ろうと踵を返したアゴリラ。