青春あやまち論anotherstory 【黒子のバスケ】
第4章 痛いほど
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練習中。
私はマネージャーの仕事の傍ら、事細かく選手一人一人の動きに注意しながらノートに書き込む。
書いているのは、特製メニュー。
「フォームをこんな風に直したらシュート率が上がる」「体力が足りない」「瞬発力をつけるために足の筋力を付けた方がいい」…など、個人によって異なる。
これが私の能力。
だが、これも元帝光の藍川は、難なくやってのけていた。と紫原に聞いた。
「はい。今日は…福井ちゃんとアゴリラの分」
「お、サンキュー」
「いつもすまんな」
ルーズリーフにびっしりと書き込まれたプレイの修正点と、その対策メニュー。
これを毎日やっていては、私の目も疲れるので、大体一週間のサイクルで全員を見るようにしている。
「それと。これは紫原」
「んー」
だが、紫原は特別。
コイツにはもっと強くなってもらわなければならないし、監督からの命令でもある。
「うわー…今度は体幹メニュー?メンドくさー」
「嫌ならやんなくてもいいよ。それで負けても自己責任だから」
「……」
二三日に一度渡されるメニューを見ては、毎回のように文句垂れる紫原。