青春あやまち論anotherstory 【黒子のバスケ】
第14章 雪ウサギ
一つ深呼吸をして、私は自分を落ち着かせる。
「ねぇねぇ、何してんの?」
「…かまくら作ってんじゃ」
「何で?何でかまくら作るの?」
「…何でだろうな」
「えーっ、分かんないのに、作ってんのー?おじちゃん、馬鹿じゃねー?」
「誰がおじちゃんじゃい!!」
ココアとコンポタを自販機で購入し、劉の元へ戻ろうとすると、園児たちに囲まれたアゴリラが目に入った。
何故アゴリラが囲まれているのかなんて、考えなくとも分かる。
アゴリラは自分の周りに集まった園児たちを怒鳴るが、それに園児たちは甲高い笑い声をあげて散っていく。
「だーっ何でわしばっかり、ガキが群がるんじゃ!」
「そりゃそうだろ。ゴリラが檻から出て働いてたら、気になるじゃねーか」
「誰がゴリラじゃ!」
「お前以外に居るか?いい加減、自覚しろよ」
福井ちゃんの言葉に打ちのめされたアゴリラ。
それを無視して作業を続ける福井ちゃん。
その様子に、私は「またやってるよ、あの二人」と小さく笑い、劉の元へ戻った。