青春あやまち論anotherstory 【黒子のバスケ】
第14章 雪ウサギ
そして、両手で私の手を包み込んでハァと息をかけて温めてくれる。
「本当に冷たいアルな」
「……」
何だろう…。
ちょっと、気恥ずかしい…。
少し顔が赤くなるのを感じた私は、それを寒さのせいだと思うことにして、劉の両手から自分の手を抜き取る。
「ね、ねぇ、劉。疲れたでしょ?休憩にしない?」
「そうアルな」
「じゃあ、私、そこの自販機で飲み物でも買ってくるよ」
慌てる必要なんてどこにもないのに、何故か慌てた私は、その場を離れるように立ち上がって劉から離れた。
「(な、な、な、何慌ててんの?!こんなの今に始まったことじゃないし)」
そうだよ。
こんなの今に始まったことじゃない。
これはきっと、寒さのせいで、思考が上手く回ってないせいだ。
うん、そういうことにしよう。