青春あやまち論anotherstory 【黒子のバスケ】
第14章 雪ウサギ
と言うのも、陽泉では、その教育方針から年に数時間の『奉仕活動』の単位が設けられており、その内容はさまざま。
周辺地域の清掃やら老人ホームでの賛美歌斉唱であったり…。
私が最も嫌うような内容ばかりだ。
そして、本来ならば、学校側が定めた『奉仕活動日』に各生徒が自分で選択した内容の『奉仕活動』に当たるのだが、先日の『奉仕活動日』がWC予選とかぶってしまい、レギュラー陣及びマネージャーの私は欠席せざるを得なかった。
そのため、学校側からの特別措置で、別日の今日、私たちはその『奉仕活動』をしなければならない。
しかも、その内容が『雪像作り』。
至極面倒でならない。
「雪像なんて作ったことないしー。てか、素人に作れるの?」
「私も同感ー。何、雪像って」
紫原に同調して私も面倒くさそうにぼやくと、それを見た氷室がクスッと笑う。
「アツシ、鈴佳。もしかして、凄く豪華な雪像をイメージしてない?」
「雪像って言ったら、札幌とかのアレでしょ?」
「違うの?」
氷室の問いかけに、私と紫原が答える。
私が知ってる雪像と言うものは、「雪まつり」なんかで見るアレだ。
とてつもなくデカい、凝ったデザインのアレ。
「俺たちが作るのはもっと簡単なモノらしいよ。雪だるまとか、かまくらとか」
「それって雪像って言わないじゃん。つまんない」
何がつまんないだ。
それで十分だろ、阿呆。