青春あやまち論anotherstory 【黒子のバスケ】
第14章 雪ウサギ
案の定、言い合いが始まる。
「割る!?なんで割るんだ!その前に、ケツアゴリラって何!?」
「ケツアゴリラは、ケツアゴリラアル。そのケツアゴ、中途半端に割れてて気持ち悪いアル」
「人の骨格、気持ち悪い言うな!」
「うっせーよ!近所迷惑だろーが、黙れ!アゴリラ!」
いつものように始まった言い争いを、福井ちゃんが一喝する。
ホント…毎回思うけど、どっちが主将かわかんない。
「アゴリラ…!うぅ、この部にわしの味方はおらんのか…」
「そーゆーの、マジ似合わねーから」
項垂れる硝子の心のアゴリラを、福井ちゃんはバッサリと切り捨てる。
そして、福井ちゃんは後ろに続くバスケ部レギュラー陣に振り返って、声を張り上げた。
「おめーら、これも授業の一環だからな!たらたらすんなよ!」
「「「はいっ」」」
「はー、メンドくさ…授業で雪像作りってありえないしー」
福井ちゃんの言葉に元気よく返事をしたレギュラー陣の中、唯一紫原だけが面倒くさそうに言う。
いや…紫原だけではない。私もだ。
私なんて、返事すらしていないのだから。
「何で私がこんなこと…」
隣の劉にも聞こえないほどの小さな声で、私は呟いた。