青春あやまち論anotherstory 【黒子のバスケ】
第14章 雪ウサギ
それは氷室も同じだったようで、彼も同様に目を見開くが、すぐに楽しそうに目を細めた。
「ホント、アツシは面白いね」
コイツにそんなことを言うのは、きっと氷室くらいだろう。
「室ちんも食べてみたらー?どっちが先にうまくキャッチできるか、競争しようよ」
「俺は遠慮しておこうかな。それより転んだりしたら、危ないよ?」
「平気だしー」
「過信は良くないな。それにそれにアツシが転ぶと、一番被害を受けるのは、主将と劉だ」
氷室の言葉に劉と、更に紫原の前を歩くアゴリラがギョッとした顔で氷室を見た。
それに氷室は笑みを浮かべて続ける。
「いくらなんでも、90キロ以上あるアツシを受け止められないんじゃないかな」
「えー、そぉ?」
至極当然のことを言う氷室を、紫原は不思議そうに見た。
それに反応した劉とアゴリラはこぞって叫ぶ。
「当たり前じゃい!ちゃんと前を見て歩け!紫原!」
「そうアル!転ぶなら、ケツアゴリラを巻き込むアル。ついでにケツアゴぶち割るアル」
出た。
これはまた喧嘩が始まるな…と私は呆れた顔で頭に手を当てた。