青春あやまち論anotherstory 【黒子のバスケ】
第14章 雪ウサギ
十一月半ば。
秋田では例年より早い初雪を迎え、それはもう山ほど積もっている。
そして、そんな中、私たち陽泉高校バスケ部レギュラー陣は寒さに耐えながら、その雪を踏みしめて歩いていた。
「さっむぅ…」
「それ言うのは何度目アル」
隣を歩く劉は私を呆れた顔で見下ろしながら言う。
むぅ…仕方ないじゃないか。
だって寒いんだもん。
校内であれば、暖房がよく効いているが、一歩でも外へ出れば極寒。
こちらで迎える二度目の冬だが、まだ慣れない。
「アツシ、何やってるの?」
私と劉の前を歩く氷室が、隣の紫原に問いかける。
何のことだ、とそちらに目を向ければ、紫原が口を開けて舌を伸ばしている。
ホントに何やってんだ。
「んー…雪食べてる」
「え?」
は?
紫原の答えに、私は目を見開く。