青春あやまち論anotherstory 【黒子のバスケ】
第13章 次こそは
「なんか…それは分かる気がするわ」
私は紫原にタオルを渡しながら呟く。
「紫原は前に言ったじゃん?『バスケは嫌い』だって。私も嫌いだよ。こんなクソみたいなスポーツ」
ホントに嫌いだ。
二年前のあの瞬間から、ずっと。
「でも、それ以上にあの子らに負けるのはもっと嫌い。だからこうして続けてるし」
「ふーん…」
次こそは。もう二度と。絶対に。
負けないんだから。
必ず、あの二人に勝って。全て倒して。
証明してみせるんだから。
「今度は約束破んなよ?藍川奪うんでしょ?」
「分かってるからー」
「大丈夫だよ、鈴佳。絶対に俺たちが勝たせてあげるから」
「頼りにしてるよ、Wエース様」
『女王』の名に懸けて。