青春あやまち論anotherstory 【黒子のバスケ】
第13章 次こそは
すると、真は少し真剣な声音で話し始めた。
『誠凛には気を付けた方がいいぜ?』
「は?」
気を付ける…って何を?
鉄平が思ったより調子良く復帰したとか?
って、それはないか。
『お前の敵が藍川や桃井だけじゃなくなるって話だ』
「何それ…どーゆー…」
『それと。こっちの方が重要なんだけどよ』
「?」
これ以上私に仇なす者が増える、と取れる真の言葉。
夏の今吉さんにも似たその言葉に私は眉間に皺を寄せる。
『「幻の六人目」って覚えてるか?』
「えーっと…確か、帝光のあの噂?」
『そうだ。ふはっ…ま、精々気を付けろよ』
「は?さっきから何言ってんの……って、オイ!切れた…」
意味の分からないことばかり言い残して、真は一方的に電話を切ってしまった。
ツーツーと鳴る携帯を私は不機嫌極まりない顔で見つめた。
「枝尾。どーじゃった?」
不機嫌な顔をした私には声を掛けないのが身のため。
だが、やはり結果が気になるのか、アゴリラが問いかける。
他の四人も「はやく教えろ」と言わんばかりの表情だ。
「東京の代表は秀徳と誠凛って…」
「やっぱりそうなったんだね」
「氷室と紫原の予想が当たったアル」
「当たり前だしー」
予想の当たった氷室と紫原は、待ちわびたように表情を明るくした。