青春あやまち論anotherstory 【黒子のバスケ】
第13章 次こそは
一方、後ろの紫原と氷室は「誠凛で間違いない」と確信しているのか、何も言わない。
私としては鉄平の居る誠凛よりも、真の居る霧崎第一の方がいいんだけどね。
すると、その時。
私の携帯が震えた。
「お、来た来た」
着信相手は、お待ちかねの真。
私は通話ボタンを押す。
「もしもし?真?どーだった?WC出場決まった?」
『……』
「もしもーし?聞こえてんのー?」
電話に出たはいいが、肝心の真が何も言わない。
その様子に私は首を傾げ、それを見た他の五人も同様に首を傾げる。
「真?どーしたの…」
『負けた』
「は?」
今聞こえてきた言葉に、私は耳を疑った。
あれ?今…「負けた」って聞こえた気がするんだけど…?
『だから…負けたんだよ』
「……」
確かに聞こえたその言葉に、私は足を止めた。
そして、今言われた言葉をもう一度自分の頭の中で繰り返す。