青春あやまち論anotherstory 【黒子のバスケ】
第13章 次こそは
IHで直接戦っていないが、泉真館の試合はついでに。と観戦した。
紫原の言う通り、これがあの三大王者?と疑いたくなるほどまでに、その実力は失せていたように感じたことは覚えている。
だが、今の私は、あの紫原が真面目にちゃんと観戦していたことへの驚きの方が大きい。
「じゃあ…もう一校は?どこアル」
劉が頭を捻り、私も腕を組んで同様に捻った。
うーん…東京の強豪…強豪……あ。
「霧崎第一は?真が居るし」
夏に電話した時も何やら企んでいるみたいだったし、汚い手を使ってでも勝ち上がってきそうな勢い。
あんな捻くれ者でも『無冠の五将』のうちの一人なんだし、代表校になる可能性は十分有り得る。
「それもどーかなー」
「は?違うの?」
「んー。否定はしないけどー…俺は誠凛だと思うなー」
「誠凛?鉄平の?」
私の問いに、紫原は頷く。
鉄平はIH予選終了後から復帰したと聞いたし、確かにその可能性も無くはない。