青春あやまち論anotherstory 【黒子のバスケ】
第13章 次こそは
氷室からその冊子を受け取り、何が書いてあるのかを劉と一緒に見た。
そこに書いてあるのは、WCの概要と手書きで書き込まれた既に決まっている出場校。
「結構決まってんじゃん」
「『キセキの世代』獲得校でまだ決まってないのは東京だけアル」
「東京は今週末かららしいよ」
「「へぇ…」」
ホント勉強熱心だねぇ。
とは言いつつも、私も冊子を握る手に少し力が籠る。
赤司と藍川の洛山、青峰と桃井の桐皇はIHの優勝校と準優勝校と言うことで、特別枠。
私の陽泉は通常枠で出場が決定。
私としては役者が揃った。
「東京はどこが上がってくるんだろうね」
私はその冊子を氷室に返しながら、独り言のように呟く。
「三大王者の一つ、正邦は予選にも出れてないから…秀徳と泉真館アルか?」
「いや…」
妥当な予想だと思う。
が、劉のその予想を否定するように、紫原が口を開いた。
「秀徳はミドチンが居るから上がってくるだろーけど、泉真館は無理っしょー」
「何で?」
「IHでも見たじゃーん。王者の名も今じゃただのゴミくずだよ」
「確かに…そうアルな」
納得。