青春あやまち論anotherstory 【黒子のバスケ】
第4章 痛いほど
紫原と盟約を結んでから、私は以前よりは練習をサボることが減った。
それでもやっぱり、気分の乗らない日はサボって帰ってたし、練習試合でもサボる日はあった。
その度に、雅子ちゃんから大目玉を喰らっては、仕事を増やされる…なんてこともある、日常を送っていた。
「鈴佳」
はいはい。
今日の気分は良くも悪くもないからサボりませんよ。
HRが終われば、同じクラスで私の監視役の劉は、毎日のように声を掛けてくる。
「何。今日はサボらないよ」
「紫原と何があったアル」
「は?」
全く予想もしていなかった言葉に、私は目をパチクリさせた。
「何って…何も」
「そうアルか?」
劉は元々鋭い目をさらに鋭く細め、疑いの目を私に向ける。
「だっておかしいアル」
「何が」
「鈴佳は紫原が嫌いだったはずアル」
「?嫌いだよ」
「なのに、あの日は紫原と一緒に部活に来たし、あれから鈴佳はあまりサボらなくなったアル」
あの日。と言うのは、私が紫原と盟約を交わした日のことを言っているのだろう。