青春あやまち論anotherstory 【黒子のバスケ】
第3章 キライだ
いや…私にはわかる。
藍川も、間違いなく赤司と同じ洛山にいる。
「紫原」
動機は異なれど、目的は同じ。
紫原は、『キセキの世代』全員に…赤司に勝って、藍川を奪いたい。
私は、『キセキの世代』マネージャーの桃井と藍川に勝って、己の名声を取り戻したい。
私たちの最終目標は、洛山を倒して、頂点に立つこと。
「その話乗った」
私が口角を上げながら言えば、紫原は嬉しそうな表情を浮かべる。
「はぁー…仕方ないから昨日の件は大目に見てあげるよ。部活にも行ってあげる」
「枝ちん、サボり魔なんでしょー?峰ちんみたーい」
「峰ちんって…今度は青峰か。って…枝ちんって呼び方止めて」
「じゃー鈴佳ちん?」
「…なんかアンタに名前で呼ばれんの微妙だから、枝ちんでいいわ」
私はコイツが嫌いだ。
だけど、もう一度私がバスマネ界の頂点に立てるとしたら…コイツの手が必要となるだろう。
それはコイツも同じ。
現状を維持したままでは、結局赤司には勝てない。
だから、選手育成能力に長けた私の力が必要。
ただの利害一致。それだけ。
もう一度言うが、私はコイツがキライだ。