青春あやまち論anotherstory 【黒子のバスケ】
第13章 次こそは
*
陽泉がWC出場を決めたその翌週。
他の都道府県も着々と出場校が決まっていっていた。
そんなとある日の昼休み、私と劉が廊下を歩いていると、前方からこちらへ歩いてくる二つの影。
「ホント。アンタら仲いいね」
氷室と紫原だ。
「ハァイ、劉に鈴佳」
「そーゆーそっちこそ。いつも一緒じゃーん」
「お前らには言われたくないアル」
全くだ。
そっちは好きで一緒に居るんだろうけど、こっちは劉が着いてくるだけなんだよ。
先日のあの一件があったにしても、過保護にもほどがある。
「ん?氷室、何持ってんの?」
「これかい?」
氷室が手に持っていた一つの冊子を見せながら問い返す。
それに私はコクリと頷いた。
「WCの資料だよ。俺は今大会からの参加だからね。勉強しておこうと思って」
「真面目アルな」
「勉強するほどのモノじゃないでしょ」
まぁ…それだけ気合が入っているのだろう。