青春あやまち論anotherstory 【黒子のバスケ】
第13章 次こそは
紫原は私の手の中のタッパーを奪うと、勢いよく蓋を開けた。
「……」
「どーしたの」
タッパーの中身を見た紫原はそれをまじまじと見つめる。
別に変なモノは入れてないはずなんだけど…?
それを不審に思ったのか、他の四人までそれを覗き込む。
「…フツーだった」
「は?どーゆー意味だよ」
紫原は安堵の息を小さくつきながら、呟く。
人が折角差し入れたモノを普通って何だ、普通って。
失礼だろ。
「ま、普通だな」
「普通アル」
「でも、折角あの鈴佳が差し入れしてくれたんだし…」
「そうじゃぞ?あの枝尾が差し入れなんて…地球は今日で終わりかもしれんちゅーのに」
「アンタら…」
珍しくマネージャーらしいことをやってみればこの言われ様。
毒物でも混ぜ込んでれば良かった。