青春あやまち論anotherstory 【黒子のバスケ】
第13章 次こそは
タッパーの中身をいまだまじまじと覗き込む五人。
すると、紫原はハッと何かを思い出したような表情をしてはまたもや慌てだす。
「だ、ダメ!!味見しないと、まだ信じらんない!!」
オイ、マジで殺されたいのか。
何が「味見しないと信じらんない」だよ。
こんなの前の日の夜に切って漬けこんでおけば、誰だって簡単に同じモノ作れるわ。
そう思いながら私が睨んでいることも気にせず、紫原はその中の一つを摘まんで恐る恐る口に運ぶ。
その様子をゴクッと固唾を飲んで見守る四人。
マジでぶちのめすぞ。
「……」
「アツシ?どうだい?」
「……」
「どうして何も言わないアル!」
……え?
もしかして、こんな簡単なモノで失敗した?私。
そんなまさか…。
とは思いつつも、紫原はいまだ何も言わない。
うそーん…やっぱ料理やり慣れない私が差し入れなんて間違ってたかな…。
「…フツー」
小さく呟かれた紫原の言葉。
「……」