青春あやまち論anotherstory 【黒子のバスケ】
第13章 次こそは
*
WC予選三日目。
今日は準決勝と決勝。
ついに今日でWC秋田県代表校が決まる。
「と言うワケで…なんと。今日は私が差し入れを持ってきました」
「「「「「!?」」」」」
初日同様。
ベンチで試合の準備、とジャージを脱いでいたスタメン五人に、私が真顔で言うと、彼らは一瞬動きを止める。
驚くのも無理はない。
なんせあの私が差し入れなんて、多分高校初だ。
「さ、差し入れって…鈴佳?何持ってきたんだ?」
顔を引きつらせながら、福井ちゃんは問いかける。
「何って…レモンの蜂蜜漬けだけど?普通の」
「ちょっと中身見せて!!」
差し入れ、と言えばレモンの蜂蜜漬け。
ごく普通のことなはずなのに、何故か慌てだした紫原。