青春あやまち論anotherstory 【黒子のバスケ】
第3章 キライだ
赤ちんは、赤司征十郎。
藍ちんは、もう一人の私の敵…藍川華純。
黒ちんは…ちょっとわかんないけど。
「で?どーなの?」
「……」
よっぽど桃井の情報を信頼しているのか、私が選手育成ができることを肯定した上での聞き方。
「…紫原は、赤司に勝ちたいんだ?」
「うん」
「勝って、藍川が欲しいんだ?」
「うん」
「だから、私に自分の能力を伸ばさせて、力をつけたいんだね?」
私が紫原を見上げながら問いかけると、答えこそしないが、その目は「Yes」の意を示していた。
ならば…。
「ちょうど良かった。私も負かしたい相手がいるんだけど」
『キセキの世代』主将の赤司征十郎は京都の洛山に進学したらしい。
同じ洛山には『無冠の五将』も三人いるし、過去最強の布陣と言っても過言ではない。
まず間違いなく、IHとWCの優勝候補は洛山だ。
「桃井さつきと藍川華純。『女王』の私から名声を奪ったあの二人に勝って…奪われたものを取り返したいの」
桃井は青峰大輝と同じ桐皇へ進学したと聞く。
藍川の方は、従兄の虹村修造を追ってアメリカへ行ったと聞いているが、真相はわからない。