青春あやまち論anotherstory 【黒子のバスケ】
第12章 帰れって
彼女の掌が目の前に来る寸前。
私はすぅっと左腕で、それと止める。
そして、その彼女の腹を思いっきり蹴とばした。
「ちょ…何してんだよ!!」
私が手(厳密には足)を出したとバレれば、それこそ謹慎…もしくは退部になりかねない。
だが、今まで一度たりとも反撃したことのなかった私が彼女を蹴とばしたことで、周りの女子生徒たちは声を荒げながらも、慌て始める。
「あーあ…いい加減頭きたなぁ…こんなのIHの藍川以来だわ」
私は机から腰を上げる。
「言ったじゃん。バスケ部では女王の私が全てなんだよ。その女王様を怒らせたらどーなるんだろーねー?」
WC予選を間近に控えている。
冬の最終決戦WC本選で、私は全てを懸けてでも己の強さを証明しなければならないんだ。
そんな大事な時期に、こんな奴らのせいで時間を無駄にしなくてはならない。
それに…私の前で決して口に出してはならない二人の名前を出した。
私の逆鱗に触れるには十分すぎる。