青春あやまち論anotherstory 【黒子のバスケ】
第12章 帰れって
職員室があるのは北棟二階。
だが、その子が行く先は何故か東棟。
東棟には、資料室が多くあるので、きっとどこか資料室で先生が待っているのだろうと私は推測する。
「枝尾さん?何してんの?」
東棟二階の廊下を歩きつつ携帯を弄り出した私を、数歩前を歩く彼女が振り返る。
「ん?ああ。アゴ…じゃなくて、主将に『先生に呼ばれたから部活遅れる』って連絡しとこ、と思って」
「そっか。はやく終わらせて部活行かなきゃだね」
メールを打ち終え、ポケットに携帯を仕舞い、私は小走りで彼女を追いかける。
そして、彼女は社会科資料室の前で立ち止まった。
「ここ。ここで先生が呼んでるの」
ニコリと笑い、彼女はドアを開けた。
薄暗い社会科資料室。
先に入る彼女に続いて、私も資料室へ入った。
「連れてきたよ」
目の前の彼女がニヤリと嫌な笑みを浮かべたのが、その声音からよく分かった。