青春あやまち論anotherstory 【黒子のバスケ】
第12章 帰れって
加奈子の言う通り、入学してから約一年半、ここまで呼び出されたことはない。
それもこれも、全部氷室のせい。
奴のモテ方は尋常でないことは、よぉーーく分かった。
暫定トップ3だった福井ちゃん、劉、紫原の三人を合わせても足りないんじゃないか、ってくらい。
「てか、何で私なワケ?私は氷室の彼女でも何でもないんだけど。彼女みたいにいつも隣に居んのは紫原なんだけど」
「紫原君は男じゃん。鈴佳が唯一の男バスのマネだからに決まってんでしょ」
「…女ってメンドくさ」
彼女でもない。放課後の部活以外はただのクラスメイトなただのマネージャー。
強いて言えば、普通の女友だちと男友だちな関係。
にもかかわらず、ここまでしつこい。
その労力、別のとこで使いなよ。
「HR終わったよ。部活行くんでしょ?」
「んー…今日はサボる」
お昼もまともに食べれてないし。お腹すいたし。
「んなワケにはいかないって。ほら、劉君お迎えに来たよ」
「鈴佳。いつまで寝てるアル。部活に行くアルよ」
「ちっ」
監視役の劉は毎度のことながら、HRが終われば私の席までやってくる。
机に突っ伏したまま、私は舌打ちをした。
「劉君。鈴佳、今日はサボりたいんだってー」
「何言ってるアル。そんなことワタシが許すとでも思ったアルか」
「……」
何なの、この二人…グルなワケ?
誰か…私の味方、ヘルプミー…。