青春あやまち論anotherstory 【黒子のバスケ】
第12章 帰れって
「枝尾?こんなとこで何しとんじゃ」
階段を下り切ったところで、アゴリラと福井ちゃんに会った。
「そっちこそ。こんなとこで何してんの?ここ、一年の階じゃん」
「わしらは紫原に用があったんじゃ」
「鈴佳は?屋上に何か用でもあったのか?」
「べっつにぃ?」
「何だそれ」
私が今下りてきた階段の先には屋上しかない。
友だちと下りてきたってなら話は分かるが、たった一人で下りてきた私を二人は訝しげに見る。
「まさか、枝尾。また…」
「岡村?何だよ、またって」
「アゴリラ?またって何?何の話?」
「……」
私は目でアゴリラを牽制する。
アゴリラが黙り込んだのを確認すると、私はその場を後にし、自分の教室へ戻って行く。