青春あやまち論anotherstory 【黒子のバスケ】
第12章 帰れって
しかし、こんなのは慣れたもの。
すぅっと、私はそれを避けて高笑い。
「あらあら。野蛮なお方ですこと」
「くっそ!嘗めてんのかよ!」
「嘗めてるに決まってんじゃん」
「っんの野郎!!」
相手は四人、対してこちらは勿論一人。
分が悪すぎる。
が、これも慣れたもので、今回は少ないくらいだ。
「その生意気な口、利けなくしてやるよ!」
「やれるモンならやってみな」
掛かってこいよ、とでも言ってやりたいが、こんな私でも一応バスケ部の部員の一人。
ここで安易に手を出すワケにもいかないし、ましてや私は腕の立つワケでもない。
ただ、日頃からよく雅子ちゃんの隣に立っているお蔭で、避けるのはかなり得意。
と言うわけで、襲い掛かってくる彼女らを私はヒラヒラと避けていく。
「じゃあねぇ」
避けながら、屋上の扉まで辿りついた私は、手を振りながら扉を開けた。
「待てよ!!」
は?んなこと言われて待つワケねーじゃん。
ついでに扉の鍵も閉めて、私は悠々と階段を下りて行った。