青春あやまち論anotherstory 【黒子のバスケ】
第12章 帰れって
*
福井ちゃんたちがビシッと言ってくれたお蔭で、放課後の部活時は平和な日々を送っていた。
そう。
放課後の部活時、は。
「アンタ、氷室君の何なの?」
昼休み。
私は数名の三年女子に屋上へ呼び出しを喰らっていた。
別にこれは今に始まったことではない。
私が一年の頃には「福井君に近づくな」「劉君と馴れ馴れしくするな」と幾度となく呼び出されたし、二年に上がってからも「紫原君に…」と言われ続けている。
が、そんなこと言われてもどうすることも出来ないワケであって、いつも適当に流している。
「はあ?何って…ただの選手とマネージャーだけど?んなことも分かんないワケぇ?もしかして頭悪いのぉ?」
「いい加減その生意気な態度どーにかしろよ!」
そう言いながら私を呼び出した内の一人が、私を突きとばそうと腕を伸ばしてくる。