青春あやまち論anotherstory 【黒子のバスケ】
第12章 帰れって
「枝ちんお疲れー。やっと帰ったねー」
「全くだよ。ほらほら、練習に戻るよ」
帰っていった彼女らの背中を確認して、私がその場にいる皆の背中を体育館に押し込む。
と、何故かいまだその場から一歩も動かない人物が一人。
「アゴリラ?何してんの?早く…」
「何故じゃ…結局顔なのかぁぁああ」
「……」
「鈴佳。ほっとくアル」
「…そーする」
一人…いや、一匹喚き続けるアゴリラを放って、私たちは体育館の中へ入った。
その後、いつまでも戻らないアゴリラは雅子ちゃんに愛刀で殴られ、泣く泣く体育館に戻ってきた。
その様子に少し笑ったこと。
それと…。
――― 『ワタシたちのマネージャーは鈴佳一人で十分アル。他は誰も要らないアル』
――― 『もし…今のことで鈴佳に何かしようモンなら、俺らが黙ってねーから』
劉と福井ちゃんが言った言葉を嬉しく感じたことは内緒。