青春あやまち論anotherstory 【黒子のバスケ】
第12章 帰れって
「そこ四人も。休憩終わるらしーし、体育館に戻って」
そう言いながら、私はいまだ彼らを離そうとしない彼女たちを見た。
「アンタらも。こちとら来月にWC予選を控えてんの。これ以上うちの部員の練習の邪魔すんなら、いくらなんでもキレるよ?」
「「「……」」」
「私がさっき言った意味分かんでしょ?そーゆ―ことだよ」
純粋に応援したい。支えたい。
と思ってマネージャーをやりたいと思ってくれてんなら、私だって雅子ちゃんに懸けあう。
だが、今この場にいる彼女らからは、そんな思いは微塵も感じない。
私が最初に言った時点で大人しく帰ったあの子たちの方がよっぽどマシだ。
邪で半端な気持ちでマネージャーなんて出来るわけがない。
「『部員の邪魔になるから帰れ』っつってんの。ここ(バスケ部)じゃ、女王(私)が帰れって言ったら帰んだよ。分かった?」
背の高い私が彼女らを見下ろしながら、冷たく言い放つと、漸く彼女らは四人から離れた。
「ほら、アンタらはさっさと練習に戻る。こっちは何とかしとくから」
「いや」
彼女らの手から逃れた四人とアゴリラに練習に戻るよう促すと、氷室がその場に留まる。