青春あやまち論anotherstory 【黒子のバスケ】
第12章 帰れって
帰りそうだったのに!
何で今のタイミングで!?ってくらいのバッドタイミングで劉が体育館の中から顔を出した。
そして、これまた案の定。
残っていた女子生徒たちは黄色い悲鳴をあげた。
「何で出てくんの…」
私は頭に手を当て、溜め息を吐く。
「劉くぅん。枝尾さんが私たちに『マネージャーは無理』だって言うのぉ」
「酷くない?やっても無駄だし邪魔だって…」
「え、いや…」
オイ、その声どっから出した。
劉も戸惑ってないで、ちゃんと言い返しなさいよ。
「劉ー鈴佳の方はどーなんだ…って何だこりゃ」
「わー劉ちんすっごいねー」
「「福井くーん!!」」
「「紫原くーん!!」」
劉に引き続き、体育館から出てきた福井ちゃんと紫原。
何故出てきた。お前たちは馬鹿なのか。
折角の私の労力を返せ。
「聞いてぇ!枝尾さんがぁ…」
「ああ!わーったわーった!何が起きてんのかよーく分かった!!」
熱烈的ファンの彼女らに囲まれた福井ちゃんは、助けてくれと言わんばかりに声を張り上げる。